2014年
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世の中には直流と交流という電気があると分かっている人は多いと思います。
直流ですぐに思いつくのが電池を使った小型の電化製品ですね。
小学校では電池を使って、多少実験をやったと思います。
左の図のようなやつを覚えていますか?
その際に、今はどうやって教えているのか分かりませんが、「プラスからマイナスへ電気が流れる」と教えられた人も多いかと思いますが、これが実はまったく違うというのが真実です。
基本的に「流れてない」し「プラスからマイナスというのも違う」のです。
何故そんな教え方をするかというと、実生活に必要な電気の知識では、その認識の方が説明がしやすいからです。
これは高校レベルになっても大して変わりません。
「電子移動反応」が必要となるのは大学レベルの学習や研究からです。
つまりですねぇ、電気工事士に必要な知識レベルというものは小中学レベルと言うことなんですよ。
だから、臆せずに取り組んでいただきたいものです。
さて、そういった知識に首を突っ込むのは、資格を取得したあとにしましょう。もっとも、勉強は嫌いでも賢い人であるならば、そんな面倒くさいものには手を出そうと思わないものです。見習いましょう。自分から泥沼に足を踏み入れるようなものです。
本題に戻ります。
電気工事士の多くの問題を考えるときは、プラスからマイナスに電気が流れるという認識で十分です。
直流も交流もこの考え方で良いのです。
家庭に供給されている電気は、正しくは交番電流であり、略して交流と呼ばれています。
まぁ、電気工事士の学習をすると、この交流がどのような電気であるかを学ぶのですが、簡単に説明すると、次のようになります。
交流電気は電波と同じように「波」があり、それを計測するとプラスとマイナスを交互に繰り返す波形を見ることができます。交互に電圧や電流が変化するので交番電流という言い方をする事ができると言うことです。波形は左下の図のような感じです。詳しいことは実際の学習を始めてから学びましょう。
何故そんな現象になるかと言うことは必要な知識ではないので、疑問に思ってもスルーするのが良いです。
基本的に自然現象と思えば、99%の人は納得出来るでしょう。納得出来ない1%の人のことまでは責任持てません。
そして、この交流電気は電圧の変換が容易であるという特徴が有ります。
つまり、高電圧で送電して、各家庭に分配する際にはトランス(変圧器)と呼ばれる装置で低電圧に変換するのです。
これが、交流電気で供給されている理由です。
ただし、設備さえ有れば直流のままの送電した方が良い場合もあります。海底ケーブルなどによる超長距離送電です。これは電気工事士の分野ではありませんが、そういうもんだと思ってください。
で、家庭用の多くの電気器具が直流で動いているという事実・・・
これは、交流はプラスとマイナスを交互に繰り返す波であるため、定期的にプラスとマイナスの中間、つまり「0」となります。
この一瞬には電気がゼロになります。つまり、照明は点滅し、ドライヤーは送風と停止を繰り返す事態になります。困ってしまいますね。
そんなわけで、ゲーム機の電源コードにも、スマホの電源コードにも、ちょっと重くて邪魔くさいDCアダプターがついているし、それ以外の電化製品には本体内部に交流を直流に変換するコンバーターが内蔵されています。ちなみにインバーターとはその逆の直流を交流にする装置で、車のDC12Vを100Vに変換するインバーターが売られていたりします。
そんなわけで、交流で供給されて直流の電気を使っているのです。
そうそう、先ほど直流も交流もプラスからマイナスの電気が流れるという認識で良いとお話ししました。
しかし、コンセントにはプラスもマイナスもないですよね?でもね、似たようなものがあるんですよ。
正確には接地線と非接地線というやつです。厳密にはプラスでもマイナスでもないのですが、基本的に電圧がかかっているのは非接地線と呼ばれる方であり、コンセントを良く見ると分かると思いますが、端子の接続穴が短い方です。長い方が接地線と呼ばれる方で、こちらには電圧がかかっていません。
左の写真はちょっとピンぼけですが、右の穴の方が短いのが分かるかと思います。
しかし、家庭用の電気工事では、実は信用がおけないのでこれを信じてしまうのはちょっと危ないです。
交流は線を入れ替えても、電気器具の中のコンバーターが直流に変換するときにちゃんとプラスマイナスとしてしまい動いてしまうので、コンセントへの非接地線と接地線の接続が正しく行われなくても大丈夫なのです。そのため、電気工事を行っている工事士の都合で、これが正しく接続されていない場合があります。
どんな場合かというと、次のような場合です。
工事の際に、テキトウに接続した。
上記以外に理由はありません。皆さんが、もし電気工事士になってもそういった工事はしないようにしましょう。
オーディオマニアの方などは、これらにこだわるため、引き渡し後にバレるととんでもないことになります。
接地線と非接地線を反対に繋ぎ直すような簡単なことですが、それだけのために呼び出されて、文句を言われなければなりません。もしかしたら、工事費をただにしろと言われるかもしれません。裁判を起こされたら確実に負けます。だって、法令に沿った技術基準ではなく、危険性がある設備の設置を行ったと言うことなので、確実に負けます。また、あまりに悪質であったり、何度も同じ事があると、電気工事士の資格を剥奪されます。
話を元に戻します。
先ほどから非接地線と接地線という言葉が出てきていると思いますが、電圧がかかっている方が非接地線で、電圧がかかっていない方が接地線です。つまり、非接地線から流れた電気が接地線に流れると考えると、色々な説明がつきます。電気工事に必要な知識レベルでは十分です。べつにエンジニアになるわけではありませんので、その認識で十分です。実務に必要な知識も、それで説明がつきます。
回路図を見て答える問題なども、それで十分答えられます。
もし、交流にはプラスもマイナスも無いと考えると、コンセントのアナは1つで済むはずです。でしょ?
勉強を進めると分かると思いますが、そういった基本認識で十分ですから、難しく思わないでください。
ん?アースって何ですか?って・・・
そうそう、洗濯機の近くに設置されているコンセントなんかには、アース用の線を接続する器具がついていることが大半です。
また、一般家庭では200V用や屋外コンセント、商業施設のコンセントなどには、3本めの丸い穴がついています。
これらは、電気が流れている電路とはべつに、独立した電路で地面に繋がっています。普段は電気が流れませんし、滅多に流れることはありません。もしも流れることがあったときは漏電などが発生しているということになります。
電気は非接地線から接地線に流れてゆく(まぁ、そういう認識ね)のですが、電気器具内部で断線などにより電気器具の鉄製の本体に電気が流れるような事態となったときに、人間が触ると感電します。
しかし、アース線を繋いでおくと人間の体よりも電線の方が電気を通しやすいために、電気はそちらに流れます。こうして感電事故を防いでいるのです。また、モーターなどを使っている電気器具も帯電しやすいので、アース線を繋ぐように指示されているものが多いです。
この電気は流れやすい方に流れるという特性は、後述のページで説明するのでもう少し待ってください。この知識は、電気工事士試験に必要な知識です。
そういえば、電圧、電流、抵抗について、次のページで少し予備知識を学んでおきましょう。
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自然界にある雷や静電気などは直流か交流か分かりますか?
これは直流なんです。雷っていうのは静電気の一種と考えられているので、まぁ同じものです。
冬などの乾燥した季節に体に帯電する静電気は、電圧こそ高いものの電流が小さいので「あ痛っ」程度ですが、雷は電圧も電流も桁違いです。
この雷なんですが、高いところに落ちると思っている人が多いですが、ちょっと違うんですよね。
電気が流れやすくて、雲からスパークしてきた雷の先端から近いところに落ちるというのが正解です。
人間も意外と電気を流しやすいので、高い木があるからと言って安心していると危険です。
落雷を避ける場合、開けたところではどこに落ちるか分かりませんし、高い木の近くに居ても高い木に落雷してそこから人間の方にスパークが走る場合もあります。逃げるのであれば森の中。何も無いところではできるだけ低いところに寝そべる位しか手段はありません。
ただし、車があるなら車の中にいた方が安全です。車に落雷しても、中の人間にはほぼ影響がありません。